・牧久様講和「天草出身、松下光廣とベトナム史(歴史を考える)」が開催されました。


2019年2月9日、元日経新聞副社長の牧久(まき ひさし)様(右写真)の御講話を印刷博物館で行いました。
当日は次の運びとなり、御講話は、主題:「天草出身、松下光廣とベトナム史、副題:歴史を考える」で質疑応答含めて予定の一時間半を超えました
13:00~14:00 印刷博物館見学(活版印刷実験工房も訪問)
14:00~14:30 VRシアター(最新のVRを視聴)
14:30~16:00 牧様御講話(於 博物館内グーテンベルグルーム)

松下翁のベトナムでの活躍はその背景等と共に 牧様著“安南王国の夢(ベトナム独立を支援した日本人)”に詳しくでていますが、御講話の概略をご案内します。

松下翁(下記写真)は1896年生まれ大江のご出身で、15歳で大志を抱いてベトナムに渡り、商社http://amakusa-ikueikai.com/image6.jpg、大南公司を1922設立、カンボジア、ラオス、タイ等々多くの拠点をつくりましたが、1975年のサイゴン陥落で財産没収され日本に戻った方です。現地では孤児院も設立運営して社会に貢献した一方、ベトナムで200年続いたグエン王朝の子孫でベトナム独立を目指すクオン・デ公と出会い、独立運動を大いに支援なさいました。
松下翁は歴史の表にはでてきません。歴史は勝者に依って語られる傾向がある一方、表にでない歴史もあることを念頭に、ベトナムでの中国、仏の支配に対する抵抗、ベトナム独立運動の指導者ファン・ボイ・チャウが君主に推すクオン・デ公の登場、潜伏期間支援した犬養毅やアジアでの欧米の植民地支配に対する大川周明の独立運動支援、東に学ぼうという東遊(ドンズー)運動、ベトナム戦争での解放軍と北ベトナム軍の動き、ベトナムと朝鮮半島の類似性等々御説明がありました。

牧様は1975年 駐在員として赴任、二ヶ月後のサイゴン陥落後も真実を伝えるべく残り報道を続けましたが、結局国外退去となり、それまで大南公司の常務だった西川様や現地の東京銀行の落合様達との交流を通じて松下翁のことを知ったそうです。

今回の見学及び講話会場は印刷博物館を設立運営する凸版印刷様のご協力があったことを申し添えます。同博物館では天草コレジョ館同様にグーテンベルグ印刷機のレプリカがあり、天草で1590年に天正遣欧少年使節団が持ち帰ったグーテンベルグ印刷機でキリシタン版を印刷したことにも関心をお持ちです。
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